エステ脱毛より医療脱毛の方がいい。

こんな声を多々聞きます。確かに医療脱毛は、医療だから安心、ムダ毛の悩みを解決するために多くの人がツルツル肌を目指して選ぶ効果的な方法とされています。

 

しかし、実際に体験してみると、「期待していた効果が得られなかった」「予想外のトラブルが起きた」などと感じる方も少なくありません。

 

今回は、私自身が医療脱毛で勤務していた、当店にいらしたお客様で医療脱毛で施術されたことがある体験と、正直な感想として、医療脱毛に関するよくある悩みや誤解、よく聞かれる5つの不満点を取り上げ、それぞれの理由や対処法について医療脱毛を考える上で、知っておかなければならない5つの問題点を詳しく解説していきます。

 

1. 医療脱毛なのに効果がなかった 

 

「医療脱毛なのに効果が実感できない」「医療脱毛は効果が高いと聞いていたのに、期待していたほど効果がなかった」

 

という声は意外と多いです。

 

医療脱毛はエステ脱毛に比べて出力が高い機器を使用するため、高い効果が期待されるのが特徴ですが、それでも効果を感じられないケースがあります。

 

「医療脱毛」と聞くと、永久脱毛ができるというイメージを持つ方が多いでしょう。毛根に直接ダメージを与えることで毛の再生を抑制しますが、効果が出るまでには個人差があります。

 

よく「永久脱毛」「毛根を破壊」と言われていますが、永久脱毛というものには、「1ヶ月の発毛率が20%以下の場合永久と言える」、という定義があります。そして効果が出ないのにはいくつかの理由が考えられます。

 

【原因】 

①毛周期に合った施術ができていない  

毛には「成長期」「退行期」「休止期」というサイクル(毛周期)があり、レーザーが効果を発揮するのは成長期の毛だけです。

 

一度の施術で全ての毛に効果を与えるのは難しく、複数回の施術が必要になります。まず、施術回数が十分ではない場合があります。

 

医療脱毛では、毛の生え変わり周期（毛周期）に合わせて複数回の施術が必要です。例えば、1～2回の施術では効果が十分に実感できないことが多いです。

 

また、使用している機器や設定が適切でない場合、毛根に十分なダメージを与えられず、複数回施術を行っても毛が残ってしまう場合もあります。施術を行うタイミングによって効果にばらつきが出ることがあります。

 

②施術者の知識,技術,経験不足 

 

医療脱毛に使われるレーザー機器には、種類によって特性が異なります。

 

例えば、皮膚の深い部分にアプローチするタイプのレーザーは太くて濃い毛に適していますが、細くて薄い毛には効果が出にくい場合があります。

 

機器の性能を使いこなす施術者の知識,技術,経験が不足している場合、十分な効果が得られないこともあります。そのため、自分の毛質や肌質に合った機器を使用しているクリニック、施術者を選ぶことが大切です。

 

 

脱毛機器の効果は肌の色や毛の濃さにも左右されます。特にメラニンが少ない薄い毛や産毛にはレーザーの反応が弱く、結果として効果を感じにくい場合があります。個人の毛質や肌質によっても効果の出方は異なります。

 

④痛くてパワーを上げられない

医療レーザーはとても痛いです。特に濃い箇所や、色素がある箇所は痛みが強く出ます。なかなか威力を上げれないと、効果を実感するまでに回数がかかります。

 

【対策】 

①信頼できるクリニックを選ぶ

口コミや実績が豊富なクリニックを選びましょう。施術実績が多いクリニックは、効果を最大限引き出すための適切な方法を知っているはずです。 

②事前にカウンセリングを受ける

毛周期や自分の肌質や毛質についてしっかり相談し、自分の状況に適した効果を実感するまでの回数や、機器の種類や間隔についてしっかり確認することが大切です。

 

2. 熱破壊式なのにまた生えてきた

 

熱破壊式脱毛は、毛根を破壊することで永久脱毛効果を得られるとされていますが、「また毛が生えてきた」という声もあります。医療脱毛には主に「熱破壊式」と「蓄熱式」の2つの方式があります。熱破壊式は毛根そのものを破壊する仕組みで、効果が高いとされていますが、「永久脱毛」と言われていても毛が再び生えてくることがあります。

※永久脱毛の定義

「永久脱毛」とは、施術後1〜2年程度経過した時点で一定の毛が減少している状態を指します。「一生毛が生えない」という意味ではありません。体質やホルモンバランスの変化によって新しい毛が生えてくることもあるため、「永久脱毛＝一生ツルツル」という認識は誤解です。

※生え変わりのメカニズム

また、熱破壊式で施術を行っても、すべての毛根が一度に破壊されるわけではありません。特に産毛や目立ちにくい毛は処理しきれず、時間が経つにつれて再び目立つようになることがあります。

【原因】 

①施術回数が不足している

毛の再生を完全に防ぐには、毛周期に合わせて複数回施術を受ける必要があります。脱毛は成長期の毛にしか効果がないため、全ての毛が一度に処理されるわけではありません。施術を受けた後もホルモンバランスの変化や体質によって新たな毛が生えてくる可能性があります。通う回数が足りないと、取り切れなかった毛根から新しい毛が生える可能性があります。 

②脱毛部位に残った産毛が、太く成長する(増毛硬毛化)場合がある

特に二の腕や、背中などの産毛にレーザー照射をすると、逆に濃くなるリスクがあります。

③ホルモンバランスの乱れによる再生

毛の再生にはホルモンが大きく関わっています。特に妊娠や出産、更年期などでホルモンバランスが変化すると、一度脱毛しても新たな毛が生えてくることがあります。

【対策】 

①必要回数を確認する

熱破壊式でも1～2回の施術では十分な効果を得られない場合があります。毛量や部位によっては10回以上の施術が必要です。   再び毛が生えてきた場合、クリニックに相談して追加の施術を検討すると良いでしょう。また、ホルモンバランスに左右されにくい部位（脇や脚など）は比較的効果が持続しやすいとされています。

②メンテナンスを視野に入れる

一度施術を終えても、数年後にホルモン変化などで毛が復活することがあります。そのため、施術後も数か月のスパンで経過を観察し、定期的にメンテナンスを受けることを考えましょう。  

 

3. 痛すぎる、火傷した、肌トラブルが起きた

医療脱毛は高出力で効果が高い分、痛みや肌トラブルのリスクがあります。この痛みは、レーザーが毛根にダメージを与える際に生じる熱エネルギーによるものです。「痛すぎて続けられない」「火傷してしまった」といった声も多く聞かれます。特に熱破壊式は高温で毛根を破壊するため、痛みを強く感じることがあります。施術部位によっても痛みの程度は異なり、ヒゲやVIOや脇などの毛が濃い部分、色素が濃い部分は特に痛みを感じやすいです。

痛みの感じ方は個人差が大きく、肌が敏感な人や痛みに弱い人は、医療脱毛を続けるのが辛くなることもあります。　

【原因】 

①照射出力が高すぎた 

②肌の状態が施術に適していなかった 

③アフターケアが不十分だった 

【対策】 

①麻酔クリームや笑気麻酔を活用する

痛みが心配な方は、麻酔を使用できるクリニックを選ぶと安心です。ただし、追加料金がかかる場合もあるので事前に確認しましょう。

②施術前後のケアを徹底する

施術前は肌を清潔に保ち、日焼けを避けましょう。普段から保湿をしっかり行い、肌を乾燥から守ることが大切です。 

③冷却機能付きの機器を選ぶ

殆どの機械に搭載されていますが、脱毛機器にはレーザー照射と同時に肌を冷却する機能が搭載されているものがあります。この機能により、痛みを大幅に和らげることができます。

④施術者に相談する

痛みが耐えられない場合は、施術者に相談して照射レベルを調整してもらう、ゆっくり照射してもらうことができます。無理をせずにスタッフに伝えることが大切です。ただし、出力を下げると効果も弱くなる可能性があるため、慎重に判断しましょう。

⑤痛みが少ない蓄熱式脱毛、エステ脱毛を検討する 

 

4. 永久と言っているのにまた生えてきた

クリニックで『永久脱毛です』と言われたのに、数年後にまた毛が生えてきた」という声も少なくありません。「永久脱毛」と聞くと「一生毛が生えない」「二度と毛が生えない」と思いがちですが、実際には「長期間、毛の再生を抑える」ことを指します。完全に毛が生えなくなると誤解されがちですが、日本では「永久脱毛」という言葉の定義が曖昧で、永久脱毛の定義は、「一定期間後に毛が生えてきたとしても、その毛の量が減っていること」です。そのため、施術後に多少の毛が再生してくるケースがあります。また、ホルモンバランスの変化（妊娠や加齢など）が原因で、施術完了後に新たな毛が生えることもあります。

【原因】 

①誤解による期待値の違い 

②体質やホルモンの影響 

特に女性の場合、妊娠や出産、加齢などでホルモンバランスが変化すると、新しい毛が生えてくることがあります。これは医療脱毛の効果とは直接関係がないため、「永久脱毛＝完全に毛が生えなくなる」と思い込まず、長期的な目線で考えることが重要です。

【対策】 

①「永久脱毛」の定義を理解する

「永久脱毛」とは、施術から1カ月後の毛の再生率が20%以下であることを指します。一生生えないわけではないことを理解しておきましょう。アフターケアの充実したクリニックを選びましょう。

②定期的なメンテナンスを行う

毛が再び生えてくる理由には、ホルモンバランスの変化や、毛根の一部が破壊されていなかった可能性が挙げられます。また、レーザー脱毛では産毛や細い毛には効果が限定的なため、完全にツルツルな状態を維持するのは難しいこともあります。特にホルモンバランスが乱れやすい女性の場合、産後や更年期に毛が再生する可能性があります。必要に応じて追加施術を検討しましょう。

クリニックによっては「保証制度」や「追加施術」が用意されていることがあるので、契約時に確認しておくと良いでしょう。 

③医療脱毛以外の選択肢も視野に入れる

 

5. 脱毛できる間隔(通えるスパン)が長い

医療脱毛は効果を最大限に引き出すため、毛周期に合わせて施術間隔が設定されます。しかし、この間隔が長いと「もっと早く進めたいのに」と感じる方もいます。医療脱毛では、毛周期に合わせて1〜2ヶ月に1回の間隔で通うことが推奨されます。しかし、一部のクリニックでは予約が取りにくかったり、施術間隔が3ヶ月以上空いてしまうことがあります。予約が取れず間隔が長くなると、脱毛の効果を実感しにくくなるだけでなく、毛周期に合わせた効果的な施術が難しくなる可能性があります。「もっと早く終わらせたい」と思っても、無理に間隔を短くすると、毛周期に合わず効果が薄れる可能性があります。

【原因】 

①毛周期に合わせた適切なスケジュールが組めない

②痛みや肌トラブルによる施術間隔の延長 

③予約の取りやすさ

【対策】 

①施術スケジュールをあらかじめ計画し、定期的に通うようにする。

カウンセリング時に、施術間隔が長い理由をしっかり説明してもらいましょう。毛周期を無視して頻繁に施術しても効果が薄れるため、理にかなったスケジュールで進めることが重要です。 ただし、施術の種類や毛質によっては、もう少し短い間隔で通える場合もあります。希望がある場合はカウンセリング時に相談してみましょう。

②自宅ケアを充実させる

間隔が長い期間は、保湿や日焼け対策を徹底し、肌をベストな状態に保つことで次回施術の効果を高められます。 

③予約の取りやすさを考慮してクリニックを選ぶ 

24時間いつでも予約できるオンラインシステムを採用しているクリニックは便利です。 

事前に実際に通っている人の口コミを調べて、予約の取りやすさや通いやすさを確認しましょう。

全国に複数の店舗があるクリニックなら、他店舗での予約が可能な場合もあり、予約の幅が広がります。

④医療脱毛以外の選択、毛周期に関係ない機械の選択も視野に入れる

 

6.まとめ

医療脱毛には高い効果が期待できますが、すべての人が満足できる結果を得られるわけではありません。適切な方法やクリニックを選ばないとトラブルや不満を感じることがあります。多くのメリットがある一方で、今回紹介したような不満点も存在しす。理想の仕上がりを目指すためには、信頼できるクリニックで十分なカウンセリングを受け、自分の肌質や毛質、ライフスタイルに合った脱毛プランを選び、施術前にしっかりと説明を受けることです。また、不安や疑問があれば、遠慮せずにスタッフに相談することで、より満足のいく結果を得られるでしょう。最終的には、しっかりと情報収集を行い、自分に合った施術を受けることが、満足度の高い脱毛につながります。

脱毛は決して安い投資ではありません。医療脱毛ではなく、脱毛サロンを選ぶ選択肢もあります。今では機械の性能もよく、医療脱毛より安く効率よく脱毛を完了できる脱毛店も多々あります。後悔しないためにも、時間をかけてじっくり検討し、自分に最適な納得のいく方法を選んでくださいね。

医療脱毛で後悔しないために、トラブルを防ぐためのポイント

①クリニック選びは慎重に

施術前のカウンセリングでしっかり質問する。毛質や肌質に合った機器を使っているか、スタッフが丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。

②期待値を調整する

   医療脱毛は「完全に毛が生えなくなる」ものではありません。現実的なゴールを設定することで、満足度が上がります。

③痛みに対する準備をする

   麻酔や痛みが少ない機器を選ぶことで、施術への恐怖心を軽減できます。

④スケジュールを計画的に

   毛周期に合わせた施術計画を立てることで、無駄なく効果的な脱毛が可能です。

⑤施術後のケアを怠らない 

⑥医療脱毛以外の選択